本とCDは増えるばかりでめったなことでは減りません。だからこれら大量の本やCDをどう整理し折り合いをつけていくかは重要な問題です。本は、や むなく古本屋に持っていくことはあります。CDはこれまで数枚しか手放したことがありません。私は、音楽はCDプレーヤーをAVアンプにつないで、7チャ ンネルのステレオで聴いています。やはり携帯音楽プレーヤーよりステレオが一番です。
同じように、電子ブックでなく て紙の本です。月鮫の作業場には通称「図書室」と(私と相棒が)呼ぶ部屋があって、ここに180cm高の木製の本棚が壁一面に三つ、そしてもう一つ、私が一人暮ら しのときから持っていたスチールパイプのものがあって、これには図版や写真集や絵本や展覧会の図録など、大判の本を収納していましたが、これがもう満杯。 どうにかせねばならんと常々相棒と話しておったのです。
構想はあったもののなかなか手が出ずにいましたが、最近やっとこの大判用本棚を取り換えることに成功しました。
足場板というのがあります。工事現場の足場に渡す杉の重厚な板です。最近の足場は金属製がほとんどですが、とくに関西以西ではまだ木製の足場板が結構使われているとのことです。
東京蚤の市にも出店しているWOODPROというお店でこの足場板が買えます。昨年から東京蚤の市でこの板を見ておって、本棚に使えると思って目をつけていました。そしていまになってやっとこさ、この板を仕入れ、組み上げたというわけです。
お店のWEBサイトに説明があるとおり、足場板は荒材で、反りもあり、寸法も数ミリから5ミリくらいの誤差があります。乾燥させたばかりの新品を購入しましたが、それでも仕上げは大雑把な状態です。
なにせ強度が売りで、ここに注目して本棚に仕立てようと目論んだわけなのでそれ相応の覚悟で向かいます。
<<作り方>>
(1)材料の木材の検定
やや、その前に、設計図面を作っておくことが重要なのは、このシリーズで何度も書いてきたとおりです。
届いた木材を拡げて、採寸します。各々の板の幅、長さ、厚さを確認し、直角、反り具合、縮み具合を調べます。
今回は長さ2000mm、幅240mm、暑さ35mmという既定サイズの板を買いました。この寸法を基準に設計図を書いておき、材の狂いを考慮して側板、棚板などどの部分に使うかを見極め、板の上下左右の向きを決め、マスキングテープにメモして貼っておきます。
注意すべきは、波釘の位置です。割れを防ぐため、足場板には波釘という特殊な釘が打ってあります。これが打ってある部分を切り落としてもよいのですが、今回はできるだけ2000mmを最大限使いたかったので、この釘の位置も考慮しながら配置を決めます。
一般の木材店やホームセンターなどで加工された無垢材や集成材は寸法が精確で組み立てやすいですが、足場板はそうはいきません。でも今回は加工は大雑把でも頑丈になればよいので、敢えてこの板を選んでいます。
(2)木材のカット
側板と棚板にそれぞれ切欠き加工をして、組み合わせます。今回は電動ジグソーでガガガっと切欠きます。初め手ノコでやってみたら大変だったので。
相欠き接ぎというか二枚組み接ぎというべきか、ともかく切欠きを合わせることで棚板が側板に載る格好になり、ビスやダボのみで留めるよりは丈夫になります。
(3)仮組み、切り欠きのかみ合わせ調整
とくに相欠き接ぎや組み接ぎをする場合は、実物合わせで調整します。切欠きのかみ合わせ口を調整してはめ込み、全体のゆがみを見ます。四隅は直角か、棚間隔は目論見通りか、棚どうしは平行か、などを差し金を使って立体的に確認し、さらに実際に本を入れてみたりして確認。今回は大きな狂いなく、棚間隔もばっちりでした。
(4)下穴あけ、サンディング
電動のサンダーがないので、紙やすりで磨きます。ここからは相棒にも手伝ってもらいます。
面積が大きな板なので大変です。まず60番か80番のサンドペーパーで磨きます。そのあと120番で仕上げようと考えていましたが、80番でもかなり綺麗になり、本を傷める心配はなさそうなので、120番の仕上げはやめにしました。単に疲れたから、という理由もありますが・・・。
(5)組立て、ビス止め
(6)組みあがり状態の確認、完成
立ててみて、ゆがみ、ぐらつきがないことを確認。これで完成です。
最上部には猫も登ります。以前の本棚より安定していて居心地は良さそうです。