求人広告の見方、広告からわかる特徴

「所謂"IT業界"」の求人広告をみてみると・・・件数や業種は?

(1)「所謂"IT業界"」の求人広告件数は多い

①「20xx年にはIT人材がnn万人不足する」???

とはよく雑誌や各種のニュースで時々話題になったりするフレーズですな。
経済産業省が出しているデータが元ネタのようですが、ITに限らず、介護も大工も、いろんな技術者も足りなくなる。
そもそも高齢化かつ人口減少中のこの国では、行政や企業の施策が何十年も間違ったままなんだから、まあ当然の結果ですが。
加えて日本の求人企業はなんだか若い人ばかり求めたがる傾向があるので、そしたらどの業界だって「人が足りない」となるのは当然での。

雑談はさておき、「所謂"IT業界"」についていうと、どうもこうした記事では主に先端技術モノが不足と言われているが、実際には、どの分野・開発案件でも、常々不足状態ではある感じです。
なんで「足りない」というのかというと、一言で言うと「マッチングが難しい」からだと思います。
つまり、やってほしい作業に見合うスキルや経験を持つぴったんこな人がそうそう見つからないという「スキルマッチング」の難しさ。
また若く優秀な人は常に引っ張りだこだが凡庸な技術者はなかなか案件にありつけない、という「レベルの不一致」。というような事情に依ることのようです。
なので、営業や管理者はいつも「人が足りない~」とぼやくわけです。

転職サイトを見ても、先端技術に限らず求人数は多い状態ですな。
例えばリクナビで単純に「ITエンジニア」という職種の数を見ると21188件(5/15日時点)。これは他のどの職種よりも多い。

職種 求人数
営業 19673
事務・管理 13183
企画・マーケティング・経営・管理職 4963
サービス・販売・外食 6479
Web・インターネット・ゲーム 4982
クリエイティブ(メディア・アパレル・デザイン) 1711
専門職(コンサルタント・士業・金融・不動産) 6746
ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ) 21188
エンジニア(機械・電気・電子・半導体・制御) 11057
素材・化学・食品・医薬品技術職 2712
建築・土木技術職 11591
技能工・設備・交通・運輸 5688
医療・福祉・介護 1762
教育・保育・公務員・農林水産・その他 1378

一般的に多い「営業」19673件よりも多い。「WEB・インターネット・ゲーム」も「所謂"IT業界"」と言えるので、この4982件も含めるとダントツです。
「クリエイティブ(メディア・アパレル・デザイン)」の中にも広告などWEB関係の仕事は多く、その件数も「所謂"IT業界"」に近いと考えると、さらに多くなります。

ちなみに、医療・福祉・介護も将来人が不足するといわれていますが、この業種はリクナビでの掲載が少ないこと(リクナビは広告料が高いし正社員向けが多いので)、他に業界専門の求人サイトなどもあるので、実際にはかなりの求人数があるはずです。
まあしかし、単に割合で見ると「所謂"IT業界"」も医療・福祉・介護と同様、かなりの数を占めるようです。

話を「所謂"IT業界"」のことに戻すと、数は多くても、仕事の内容にマッチする人がどれだけいるかは難しいところで、なっかなか見つからないためか長いことずーと広告出ている会社も多い。
あるいは業績拡大で増員したいところもあるでしょう。
しかしなっかなか、ピッタリくる人が見つからない、というのが大概だと思います。

しかし翻って求職者から見れば、食いっぱぐれがない業界でもあるので、もしその気があればチャレンジしてみるのは良いのでは、と思います。そういう意味でとくに若い求職者にはおすすめかも。

(2)仕事の内容をよく見る

これはIT業界に限った話ではないですが、求人広告でよく読むべき点は職種やらではなく「仕事の内容」です。当たり前ですが。
「プログラマー募集」「インフラエンジニア募集」などではどんなレベルのどんな作業かわからんので、「仕事の内容」を読むべきなんですが、仕事の内容をみても「javaの経験者(3年程度)」という程度の記載だったら、その会社には応募しないほうが無難かもしれません。求人広告が大雑把なら、その会社のWEBサイトに行って事業内容を見てみましょう。そこである程度のことが読みとれるならまあ良いです。WEBサイトを見てもありきたりのことしか書いていない場合は(たいていは単なる人貸し企業なんかは多いですな)、もうどうにもなりませんが。

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