「大手SIerと直取引」「直請け・一次請けの案件が基本」「大手企業と直接取引!」
「xxxグループからは、”重点パートナー”に認定されています。」とかとか
■解説と想像■
いろんなケースがありますが、どうも謳いたいことが二つあるようです。
まずひとつは、「直請け」「一次請け」「直接取引」。
どうやら、「直」の意味合いがいろいろあるようで、
・ユーザー企業からの直請け
これがほんとの「一次請け」ですね。所謂IT企業全体の5%もないのではないでしょうか。
・大手SIerからの直請けを「一次請け」と言ってしまっていることもある。
ユーザー→大手SIer→その会社、となっていたら正しくは2次請けなんですが、大手と直接やることが1次と考えてるところは結構あります。
実際に何次請けで動いている会社なのかは、もし事業内容や会社概要に主な取引先が載っていればある程度想像できます。
その取引先会社の内容からその会社の立ち位置(商流)を知る、想像するわけですが、面接で訊いてみるのもよいです。
ユーザー企業が取引先として載っていれば、ほんとにこれは一次請けといえるし、SIerやベンダーの場合は、エンドユーザーから数えてみれば2次請けになるわけです。(別稿参照)
100%1次請けの会社はほんとに稀といってもいいくらいなのですが、ユーザ企業は20%くらい、残りはSIerやベンダーから2次請けで、というように1次請けを増やしながらやっているようなところもあります。
また、1次請けができるかどうかは会社の規模にはあまり関係なかったりします。
稀ですが、数十人の会社でも1次請けのところはあります(業務システムよりWeb系に多い印象です)。
もっとも数十人ですから、請け負うシステムの規模は大きくはないですが、数十人がやっていける相応の規模であれば十分なわけです。
一方で、数百人~3千人規模の会社でも、2次請け3次請けだけでやってるところもあります。おかしなもんです。
ふたつめは、大手との取引があることを強調したいらしい点です。
商流が何次かは重要ではなくて、大手と直接やっているから安心、というようなことを言いたい広告もあるようです。
「日立やIBMのなんとかパートナーになってます」なんていうのは、その典型だろうと思います。
■そのほかのポイント■
"日本全国多重下請け構造中抜き万歳"、の業界が多いので、個人的には私は面接に呼ばれたら商流については尋ねるようにしていました。
一介の求職者に取引先などを開示する会社は少ないですが、なんでも現状を正直に答えてくれる会社のほうが好印象でした。
"日本全国多重下請け構造中抜き万歳"のなかで、なんとか直接取引を増やしたい、という経営者や、どうしたら商流の上に上がっていけるかを逆に質問されたこともありました。
「利権と大手企業」万歳の日本経済・日本政治ですから、小さいところは大変で、同情します。まずは政治を変える(真っ当にする)必要があります。