1. そもそも「IT」ってなんじゃ?~具体的に何を指しているのか非常に曖昧じゃ

いつ頃からIT:(Information Technology)という言葉が流通しだしたのか記憶は定かではないが、WIKI等によると、およそ2000年前後から普及し始めたらしい、とのこと。
90年代初めごろにこの業界に就職したときは、ITという言葉で言い表すことはなくて、情報技術、情報化社会という言葉はあって、1970年代に航空業界の予約業務などをコンピュータ化してきたりしたことを「情報化社会」と言ったりしていたと思います。また、職種もちゃんと、システムエンジニアとか、プログラマーとか、コンサルタント、というようなレベルで表現されてたと思います。

それが「IT」という言葉が普及して具体的に何を指しているのか非常にあいまいになります。
「ITが得意です」とか「ITジャーナリスト」とか「IT企業」とかとか、とかくこの言葉、普及したものの意味が広大で、何を指すかは非常に曖昧で、そのときの用法や周辺情報から読み解くしかないわけです。とくに、日本ってこうした外来語?を取り入れるとなぜか本質的な意味から逸れて別な意味合いで流通したりすることも多いので、余計に厄介ですな。
例えが少し乱暴ですが、「スポーツをやりたい」といってもそれがサッカーなのかバレーボールなのかテニスなのかで話がかなり違ってくるのと同じで、「ITの仕事をしたい」といったときに、それがWEBサービスなのか、インフラなのか、組み込みなのか、AIのような先端技術なのか、といろいろと違ってきます。
そんなわけで、普段個人的にはITという言葉はあまり使いません。ITだと何のことを言ってるのか曖昧になるので、できるだけ具体的な事物を指すようにしています。
また、現在のITという用語は一般にコンピュータを使っての情報化を指しますが、日本はすでにいろんなことが欧米先進国より30年、アジア各国よりも10~20年遅れた状態ですから、コンピュータという道具や手段以前の問題として、情報化とはなんぞやの理解、情報リテラシーの向上、もっと根本的には民主主義を作るにはどうしたらよいかを考える必要があると思いますが、自分の身の回りを見ても、ほとんど進歩していないことがわかります。

もちろん、一部の業界や特定の企業のサービスなどに限ってみれば、コンピュータとネットワークを使ったシステムで便利になったりしてはいますがそれはそのサービスの範囲内の話であって、社会一般としてはほとんど進歩した感じはしません。先般久しぶりに引越した関係で、役所に住所移動の手続き等々をしにいきましたが、窓口の業務形態が30年前となにも変わっていないことに愕然としました。ただちょっと違ったのは、支払いのとき目の前に担当者がいるのに小銭を機械に入れる、というなんともシュールな風景が、「IT化」「デジタル化」の一片なんでしょうか?。
あるいは、私はネット銀行を利用していますが、いまだに「ネット銀行って大丈夫なの?」と訝しげにいう人もいます。
ともかく、(とくに人々の意識において)何も進歩してないことが結構あります。

まあそんな情況のなか、このサイトではコンピュータやソフトウェア、ネットワークを使った仕事をしたいと思う方々に、「所謂"IT業界"」がどんな業界で、求人をどう読み解いて入っていけばいいかの参考になるお話をしたいと思います。