これもやはり投票には行くべきでしょう。(2014年)~その4~ しつこいけど。。。から続けて、アベノミクスの成長戦略で謳われた「女性の活用」が別な意味でも的外れな政策ではないか、というお話です。
2013年4月に発表された成長戦略で謳われた「女性の活用」の中で、上場企業の役員にせめて女性が一人以上、なんてことをいっていましたが、一方で、貧困と言われるシングルマザーがたくさんいることも問題になっています。
今回も数字をみてみます。
上場企業は約3600社、戦略どおり役員に一人女性が入ったとしたら、3600人以上。
一方で、二十代シングルマザーで貧困で困っている人たちは154万人という調査結果があります。これは女性役員の数の420倍以上。苦しい154万以上の人々を置き去りにして、役員の女性が増えたら経済が活性化され成長するのでしょうか?
上場企業の役員に女性が増えるのはあくまで投資家(それも多くは外国投資家)を利する(理由は様々です)のみです。それに、役員になれるような女性はもちろん富裕層に属する部類です。
こんなふうにみても、アベノミクスがどっちを向いてしまっているのかわかりそうなものです。
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ちなみに、所得に関する数字を見てみます。
国民生活基礎調査(厚生労働省)の等価可処分所得金額階級(全世帯員の統計)です。
(2009年のデータ)
可処分所得金額 | 分布 |
---|---|
40万円未満 | 1.9% |
40~60万円未満 | 2.8% |
60~80 | 3.9% |
80~100 | 4.3% |
100~120 | 5.5% |
120~140 | 5.5% |
140~160 | 5.9% |
160~180 | 6.6% |
180~200 | 6.6% |
200~240 | 11.6% |
240~280 | 10.2% |
280~320 | 8.3% |
320~360 | 6.8% |
360~400 | 5.2% |
400~500 | 7.9% |
500~600 | 3.5% |
600~700 | 1.8% |
700~800 | 0.7% |
800~900 | 0.3% |
9~1000 | 0.2% |
1000万円以上 | 0.6% |
シングルマザーに限らずとも、可処分所得が120万円以下の世帯が全部で18.4%(この辺りが貧困ライン)、反対に高所得の700万円以上はたった1.8%。上場企業の役員くらいの所得の世帯はほんとに少数派です。300万円くらいでも、家族の人数によっては大変(320万円以下は73.1%!)。
政治が貧困をないがしろにするわけではないと思いたいですが、少なくとも成長戦略のなかで言及されてはいません。役員を増やすより、これら大多数の大変な人たちのための政策を掲げて底上げを図ったほうがはるかに高成長になると思います。
でもアベノミクスのどれをとっても大企業ほか特定利益団体のための政策にしか見えないのは私だけでしょうか?
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