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健康 漫筆

社会環境が健康に及ぼす影響も考えたほうがいいです。自分がいくら気をつけても間に合わないこともあります。(2016年)

2016-10-12

昨年の話になりますが、英国の睡眠のエキスパートであるポール・ケリー博士(Paul Kelley)が、「朝9時前から仕事を始めるのは拷問に近いものだ」と発表したことから、日本の雑誌なんかでは「『早起き』すると寿命が縮む!オックスフォード大学の研究で判明~心筋梗塞、脳卒中、糖尿病のリスクが倍増」というセンセーショナルな書き方で記事になったりもしていたようです。

雑誌の記事の内容はともかく、ポール・ケリー博士の論文のもともとの主旨はどうも、9時前から仕事などを始めるのは人間の体のリズムに合っていなくて、疲れやストレスのもとになる、ひいてはそれが病気や依存症の引き金になる惧れがある、ということのようです。
これを知って私は「そりゃそうだろうな」と思いました。

個人的には、朝6時、7時に起きるのは不快で、不調だったときはもちろん、健常なときでも、この時間帯にすっきりさわやかに起きられたことなどまずありません。つまり9時出社が体に合ってないのはずーっと前から体感的にわかっていました。それに自分の睡眠を観察したところロングスリーパーだとわかっていて、7時間半または9時間眠らないとさっぱりできない。

「睡眠の話 ~『グッスリ朝まで眠る術』などあり得るのか??」でも書いたように、仕事や学校やその他諸々の社会生活における活動には「時間」が決まっていて、とくに日本というところはそれが異常に細かくて、電車だって分単位で決められた時間に動いているしそれがずれると乗るほうは怒り走らすほうは謝ったりするちょっとクレージーな場所です。そんななかで、自分の自然な体ではなく「時間」に合わせて動くのは結構大変だと体感的にわかっているひとは私だけではないはず。

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安倍政権でも「働き方改革」とか「生産年齢人口74歳まで」(!?)などと言ってますが(いずれも内容は"おかしい"が)、本質的に労働生産性を上げたり、国民を健康にしたいのなら、人の意識や企業体質を変えて労働時間や"勤務時間帯"を改善するとか、東京や大阪なんかは一極集中による長時間通勤をなくすとか、勤務時間帯の集中による混雑をなくすとか(電車を2階建てにするのが解決策ではないはず)、そんなもっと根本的なところに施策を打ったほうがよいと思うのだが、まあ安倍政権にしろ小池都知事にしろ、市民のための政策を考えている人たちではないので、何を言っても無駄でしょう(変えるしかない、と思うのですが、こういう人たちを選挙で勝たせてしまうのも我々市民なので、困ったものですが)。

食生活を改めたり運動したりって自分だけが健康に気をつけていても賄いきれないこともあるわけなので(特にストレスの原因になることなんかは)、こうしたことも自分たちの健康にも影響を与える遠因になるかもしれないと思えば、社会や環境も含めてどうにかしないといけないと思うのです。

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