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古くても新しくてもいい音楽

【0012】NAJIMA ~ インドのガザル歌手

2013-06-19

∥ARTIST: NAJIMA
∥ALBUM TITLE: NAINA

 

ナジマはインド系イギリス人である。
彼女もイギリスのヒットチャートを聴いて育った二世だが、インドのガザルを新しい形で歌ったのがこのアルバムだ。いまではもっぱらガザルしか聴かないという。

ガザルとは、ウルドゥー語で歌われる、というか吟じられる叙情詩で、恋愛歌である。どちらかというと古典的な音楽で、上流階級や知識人に好まれていたが、70年代後半から一般大衆にも浸透して、ポップ・ガザルというスタイルを生み出し、ブームとなった。インドというとシタールやタブラといった楽器を使用する、ラーガやターラといった古典音楽がよく知られ、また研究もされているが、このガザルは現在のようなスタイルの音楽として歌われるようになったのがごく最近ということもあってか、日本ではあまり注目されていないようだ。

が、ナジマの『プカール』というアルバムの「PUKAR~CALLING YOU」という曲が、富士銀行(当時の)のCMで流れていた。日本でもすでに何枚かのアルバムが出ているが、この『ナイナ』がもっともポップに感じられる。インド音楽自体が日本人には馴染みがないようで(バングラビートは別)、ナジマのアルバムを聴いていわゆる環境音楽のようだ、と言った私の友人もいる。確かに、私もシタールの音を聴いていると何ゆえか、妙に眠くなることがある(脳のどこかを刺激されているようだ)。インドという国にはなにかしら得体の知れないものが潜在しているように思えてならないのだが、それはかの国の音楽にも感じられる。
もしこのアルバムが気に入ったら、古典音楽なども一度聴いてみてはどうだろうか。なにか悟りを得られるかもしれません。

(文中敬称略)

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