┃監督: ヴァディム・パールマン
┃TITLE: ダイアナの選択(The Life Before Her Eyes)
所謂「ホラー映画」はあまり観ません。たまに面白いものはありますが、ほとんどはその仕掛けやからくりを考えてしまって、純粋に「怖い思い」は出来ないものが多いし、ただ血や内臓が出るだけだと笑ってしまいます。
でもゾンビ映画はわりと好きなのですが、これはもう「恐怖」というより考える材料として観ていることが多いのです。
でも、なかには「本当に怖いと思った」映画があります。No10稿から四回にわたって、怖かった映画について書きます。
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最も怖かった映画の三つ目(観た順序は関係なく書いていますが)が、『ダイアナの選択』。
原作(ローラ・カジシュキー著『春に葬られた光』)があるのを後に知りますが読んでいません。
この映画、観ているうちに喉から順に泥のようなものが詰まってきて最後には胸が泥で埋め尽くされ、もがいてもどうにもならなくなるような苦しさを覚える恐怖です。自分もなにか責めを負わされている気分になり、過去の後悔や罪悪感、失望など(それらがどんなに些細なことであっても)を強烈に感じ、さっさと堕ちてしまいたくなるような恐怖を感じます。
技術的に映像もストーリーも役者も素晴らしいので是非観ていただきたい映画のひとつですが、やはり怖い。