まともな情報に触れよう

健康 漫筆

うつや認知症は薬で根治できるのか??

2013-12-17

まずはニュース記事から。

■認知症根治薬20年に…日本版NIHが達成目標

医療分野の研究開発の司令塔として米国立衛生研究所(NIH)を参考に、政府が設置する「日本版NIH」の総合戦略の原案が14日、明らかになった。

認知症を根本的に治す新薬の治験開始を2020年頃までに、抗がん剤の副作用予測の確立を20~30年頃までに実現するなどの達成目標を掲げた。
日本版NIHの意思決定機関となる健康・医療戦略推進本部(本部長・安倍首相)が来年1月に正式決定するのに向け、専門家らで作る調査会が今秋から検討してきた。大学、研究機関などに資金を配分する中核の独立行政法人が来年度にも発足する。

達成目標では、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った薬の臨床応用、医療機器の輸出額倍増(11年比)をともに20年頃までに行うとした。目標実現のため、〈1〉患者の膨大な情報「ビッグデータ」を薬の開発に生かす〈2〉基礎研究から実用化までに通じたリーダーを育てる――などを盛り込んだ。
(2013年12月15日10時46分 読売新聞)

■20年に認知症根治薬の試験 政府、医療戦略案1月決定

政府の健康医療戦略推進本部(本部長・安倍晋三首相)に助言をする専門調査会は16日、2020年ごろまでに認知症やうつ病を根本的に治療する薬の臨床試験(治験)を始めるとの目標などを盛り込んだ「医療分野の研究開発に関する総合戦略」案に大筋で合意した。推進本部が来年1月、正式決定する。

政府は、研究の費用分配や進行管理を担う新しい独立行政法人「日本医療研究開発機構(仮称)」の設置法案を来年の通常国会に提出する。新法人の本格的な始動は15年度になる見通し。
(2013/12/16 22:23 【共同通信】)

 

さて、うつや認知症はほんとに薬で根治するのか?
否、鬱は薬だけではまず治らない、と思います。
認知症はちょっとわかりませんが、老化と生活環境が関係する以上、これも薬だけというわけにはいかないと思います。
日本版NIHの達成目標のうちのひとつとして出されているものですが、なんだか結局政治的な利益絡みのような気がしますが、それはさておき、うつ病に関して言えば、薬よりももっとほかの施策が必要だと思うのですわ。画期的だったはずのSSRIだって今うつ病患者を減らせていないわけだし。

高齢化、人口減で働き手が減るうえに、その働き手のなかでうつ病、認知症で動けなくなる人が多いのだとしたら、政策的にもこれをどうにかしないといけないのは確かですが、それが薬だけだと、結局製薬会社のための経済的施策でしかないのではないか、と勝手な想像をしてしまいます。鬱の経験からも「薬で根治」はないだろう、と思うし、「健康・医療戦略推進」というなら病気は対症療法もそうですが予防にも力を入れるべきだろうと思うのですわ。
がんや成人病なら生活習慣(これも意味が広いけど)、うつ病なら人間関係や家庭環境、職場環境なども絡み、医療分野とは別の対策も必要なはずなので、こういうのを総合的にやらないといけないのはみんなわかっているはず。ニュースの記事だけ見てるとそのあたりをどう考えているのかまったく読めませんが、根治ならず「根本対策」ということを言うのであればそこまで考えられてしかるべしかと思うのですわ。でも日本は縦割りだから……。
でもそこをやらずに薬や医療機器だけ、と聞くとやっぱり特定業界のための経済的利益誘導施策でしかないのではないか、と勝手な想像が膨らむ……。

-健康, 漫筆
-, ,